組み込み系プログラマー
プログラマーの仕事って、WebとかソフトウェアなどIT業界の印象がありますが、実は生活のあらゆるところに生かされているんですよね。普段なにげなく使っているテレビや冷蔵庫や電子レンジなども、組み込み系のプログラマーが組んだプログラムが作動しているから。では、組み込み系のプログラマーってどんな仕事なのでしょうか。
家電や電子機器のプログラム開発
組み込み系のプログラマーとは、家電や電子機器開発のプログラミングを担当する人です。電気屋さんへ行くと、使いきれないほどの便利機能がたくさん付いた魅力あふれる家電製品がいっぱいありますよね。冷蔵庫はコンセントをさして好みの設定にすれば最適の状態で食品を保存してくれますし、水を入れておけば氷を自動的に作ってくれます。炊飯器は、お米を研いで水を入れれば後はスイッチひとつで自動的にご飯を炊き上げてくれます。機能によってはパンを焼いたり煮物をしたりできるスグレものもありますよね。製造工場などで使われる産業用ロボットは、ときには人間にはできないような作業もこなします。これらはすべて組み込み系のプログラマーによってプログラムが組まれているからできることです。
ものづくりを学ぶことができる
プログラマーの仕事と聞くと、Web系やソフトウェア系を思い浮かべる人も多いですよね。Webやソフトウェア開発ならパソコン一台あれば仕事が完結できてしまいますし、作った「もの」はディスプレイを通じて目にする形なきものですが、組み込み系は形ある「もの」づくりの一部。プログラマーでありながらものづくりのおもしろさも味わうことができます。自分が開発に携わった商品を人々が喜んで使っている様子を見たらうれしくなりそうですね。
安全性に対する意識が違う
Web系やソフトウェア系の開発でなんらかの不具合があったとしても、人の命まで脅かしてしまうことはほとんどありませんよね。その点が組み込み系とその他のプログラマーで大きく違うところです。組み込み系の場合、少しのミスが製品の発火につながるなど、重大事故が起きてしまう可能性があります。一度事故が起きてしまうと、その事象が小さくても大きくてもユーザーからの信用は失墜します。人の命が失われることにでもなればさらに取り返しがつきません。どんなプログラム開発においてもテストは重要ですが、組み込み系の開発においては重大事故のリスクを常に意識しつつ、念には念を入れて仕事に取り組んでいかなければなりません。そう考えると責任の重さに圧倒されそうにもなりますが、より良いものを人々に届けたいという思いがあるプログラマーなら、十分なやりがいを感じることができる仕事です。